自作してみた(非売品)

画像測定器

~とある日~

 

社長、ちょっと交差ギリギリの製品が出来ちゃったんですが。

ん~、どれどれ・・・。あー、ホントだ・・・。どーすっかな~。

見方によってって感じなんですよね。

何とも言えんなぁ。・・・・・・・・・・うん、捨てよう。やり直し。

あー、ダメですか。

まだ何とか納期も間に合うしな。
こんなんでリスク抱え込む必要ないだろ。

すみません。

原因がわかってんなら良いよ。わかんないなら追及すること。
でも、材料と時間が勿体ないから、気を付けること。

了解です。

今は何でも画像測定器で測られちゃうからなぁ。

 

※ここで言う画像測定器とは測定台に乗せるだけで、簡単操作で寸法測定が出来るのが売りの某有名メーカーのアレの事である。写真など勝手に載せるわけにいかないので何とか察して戴きたい。

うちの投影機じゃ限界有りますよね。

と言うか、ノギスもピンゲージも時代遅れみたいな言われ方するからな。センサーで測った数字とメーカーが決めた交差が絶対っていうのもなんだかなあとは思うけど、強い者の意見には逆らえないしな。

じゃあ、とっとと数字調整してやり直します。

・・・・・・・・・。

? どうかしました?

ん? ああ、いや・・・。あの画像測定器ってさ、結局のところカメラで撮った画像を測ってるのかね?

さあ・・・。仕組みまでは何とも・・・。センサーで測った数字を画像に対して表示してるのかもしれませんし。てか、そっちが本命かな?

そうなん?

たぶん・・・。
カメラで撮った立体の画像には必ずパースが付くわけなので。

あー、立体感な。すると、光源に近いほうをきちんと認識できないと正確な寸法を取るのは難しいのか。

まあ、そういうことですね。でも急にどうしたんですか?

いやあ、どっちみち画像を測定してるなら、現物じゃなくて、その影を測定しても同じ結果なんじゃないかと思って。

あ?あー、まあ、理論上はそうなりますね・・・。(嫌な予感・・・)

あれ、自分らで作れないのかねぇ。

(ほらきた!)いやぁ、さすがにそれは・・・。
さっきも言ったパースの問題もありますし、そもそも一体どういう風に寸法を測るんです?さすがにセンサーの知識なんてありませんよ?

いや、そこまで正確じゃなくていいんだよ。うちの製品でナノ単位とかどうでもいいんだからさ。せいぜい0.01ミリ台じゃん?
製品を10倍レンズで撮って、グリッド表示に照らし合わせて~とかぐらいの水準だったらさ、なんか出来そうじゃない?
ちょっと気取った投影機って感じで。

じゃない? と言われても・・・。そもそもやるのは僕じゃないですか。でもまあ、確かにそういう仕組みなら、あとはパースの問題だけですが・・・。うーん、ちょっと検討してみます。

 

~それからしばらくして~

社長、こないだ言ってた画像測定機なんですが。

おう、何か進んだ?

ええまあ。あれこれ調べてみたんですが、某メーカーと同じ仕組みのものはさすがに無理ですが、社長が言ってたような水準のものなら何とか出来るかもしれません。あ、コレ、設計図です。

ほう、なるほど。(・・・う、うむ、見てもサッパリわからん!)

要するに必要な能力を備えたカメラさえあれば何とかなりそうですね。もちろん、部材と時間は必要ですが。

おし、面白そうだしやってみよう! 予算は用意するから、あとはいつも通りスケジュール組んで進めてみてくれ。
ダメもとだし、上手くいったらかなり便利な装置だからね。

了解です~。

 

 

~時間経過を表す空白w~

 

社長、出来ました!

何が?(キョトン)

例の画像測定器ですよ!(# ゚Д゚)

おお、そう言えば最近なんか作ってんなーと思った(汗。
アレ出来たんだ?

(自分でやれって言ったくせに)・・・何とか形になりましたよ。

見た目通りのブラックボックス。構造も理屈も良くわからない。
自作感あふれる内部構造。とにかく必要な能力は備えている模様。

おお? なんだこりゃ? どう使うの?

投影機と同じですよ。ガラス面が載物台で、そこに乗せたものが、こっちのパソコン画面に表示される仕組みです。
厳密にいうと、〇△◇×↑↑↓↓←→←→#♭(((o(*゚▽゚*)o)))、て感じです。

な、なるほどなー(棒読み)。
と、とにかく、使って見せてくれる?

こんな感じですね。

 

実際のパソコン画面。かなりくっきりと投影されているのがわかる。
好みの倍率に拡大も可能。

うおっ! かなり本格的じゃんか。

どうせやるなら、それなりにした方が良いですからね。いいカメラがネットオークションで安く手に入ったので、運も良かったんですが。

これは影を測ってるの?

そうです。正確には、影と光の境目の色相差を端面として測定しています。グリッド表示に合わせて、垂直設定して、ここから・・・ここまでっていう風に指定すると・・・、こんな感じです。

すげー、一発で測定結果出た。某メーカーのに負けてないじゃん。うちで使うんなら全然OKだよ。どのくらいの精度あるんだろ?

それについては、実測しながらデータ積み上げていくしかないですね。
現状だと、50mmあたりで0.02~0.03mmの誤差が確認されていますが、もっと大きければ誤差が大きくなるのか不明です。

結局のところデジタル測定機能付きの投影機といった塩梅なので、影がぼやけたり、輪郭がはっきりしないと測定できません。パースの問題ももちろん解決してないので、高さがあるものは測定ムリですね。

あ、よく見ると0.001mm台がちらちら動いてる。まあ、どうでもいいっちゃどうでもいいことだけど。

アプリが正確に色相差を判別してないんですね。この辺りは順次改良していきます。あと一応、顕微鏡機能とかもつけてあるので、表面の傷や汚れも原因から確認できます。

これはだいぶ検査が楽になるなぁ。あと、誰がやってもほぼ同じ結果になるのが強い。これは使えるぞ。ありがとう!
よし、成功報酬で臨時ボーナス出すからね。

ありがとうございます!!

だから他二人は何もしてないだろ!
今回初めての発言がそれか!!

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